働けない状況なら休業補償を活用しよう!休業補償の仕組みを解説

 仕事中の怪我などで働けなくなってしまった場合、心配なのが職場に復帰するまでの生活費です。特にまだ収入が低くて貯蓄が難しい若い人や、配偶者がいなくて生活費を稼いでくれる人がいない人の場合、短期間でも無収入な期間が発生するのは不安でしょう。そこで、仕事を休んでいる間でも一定の金額を補償してもらえる制度が休業補償です。ただ、休業補償は労災の条件に当てはまる場合でも勝手に支給されるものではなく、自分で申請しないと受給できません。そこでここでは、休業補償とはどんな制度なのかに加え、計算方法や注意点についても解説します。

休業補償とはどんな制度?

 休業補償とは労災保険に用意されている制度であり、労働者が勤務中もしくは通勤中の怪我や病気で働けなくなり、賃金を受け取れなくなった際に支給される給付金です。休業補償の対象となるのは、正社員だけでなく、パート・アルバイトなど企業と直接雇用契約を結んでいるすべての人です。派遣社員やフリーランスは対象になりません。また、休業補償をもらえるパターンとしては大きく分けると3種類。まず仕事中の怪我や病気で働けなくなった場合は休業補償給付扱いとなります。次に仕事中ではなく通勤中の怪我や病気の場合は、休業給付の対象となります。そして複数の会社で働いている人が仕事中もしくは通勤中に怪我や病気で働けなくなった場合は、複数事業労働者休業給付が支給されます。

 休業補償の対象となるにはただ働けないだけではいけません。まず療養中である必要があります。療養中というのは病院に入院している状態であるだけでなく自宅療養も含まれます。次に療養につき労働ができない状態であることも休業補償の条件です。入院している場合は明らかに働けないことがわかりますが、自宅療養の場合は診断書を発行してもらうと良いでしょう。そして、会社から賃金を受け取っていないことも条件です。ただ、受け取った賃金が給与の60%以内だった場合はこの条件が適用されます。また、この条件の対象となるのはあくまで会社から支払われる賃金のみであり、補償金は賃金として扱われません。

休業補償の計算方法は?

 休業補償では、休業補償給付・休業給付に休業特別給付金を加えた金額が支給されます。まず休業補償給付・休業給付の計算方法は、給与基礎日額×0.6(60%)×休業日数です。また、休業特別給付金は給与基礎日額×0.2(20%)×休業日数で算出されます。したがって、休業補償は給与基礎日額×0.8×休業日数で求めることができます。

 この計算式における給与基礎日額とは、労働基準法における平均賃金の事を言います。労災の対象となった事案が発生した3ヶ月分の賃金を勤務日数で割った、1日あたりの賃金が給与基礎日額です。ちなみにこの賃金には、通勤手当をはじめとする手当も含まれるので注意しましょう。また、複数の事業者で働いている人の場合、給与が企業によって異なることが多いでしょう。この場合は各勤務先の給与基礎日額を算出し、平均した額に0.8と休業日数をかけた金額が支給されます。

 通勤中の事故や病気に関して、本来会社はその人が働けなくなった責任を負う必要はありません。そのため、通勤中の事故・病気で休業補償を利用する場合は一部負担金といって支給額から200円が差し引かれます。

休業補償を利用する注意点

 休業補償を利用するにあたってはいくつか注意点があります。それでは注意点を確認していきましょう。

すぐに支給されるわけではない

 休業補償はすぐに支給されるわけではなく、申請から1ヶ月以上かかるのが基本です。そのため、休業から1〜2ヶ月の間は自分の貯蓄で生活を送らなければいけません。ただし、受任者払い制度と言って、会社から休業補償分のお金を立て替えてくれる制度が存在します。この制度では、休業後に会社が休業補償分のお金を休業した従業員に支払い、立て替えた分の休業補償は会社に支払われます。休まなければいけないけれども貯金が無いといった場合は会社に相談してこの制度を活用してください。

場合によっては減額されることがある

 休業補償の金額は原則給与基礎日額×0.8×休業日数ですが、場合によっては減額されることがあります。減額の対象となる条件は、療養中に医師の指示に従わずに病状が悪化した場合や、労災の対象となった事故や怪我の原因が労働者本人にあった場合など。特に療養中の過ごし方で減額を受けるのは損なので、休業補償を受け取る場合はしっかり療養に専念しましょう。

休業補償を活用して怪我や病気をしっかり治そう

 休業補償は仕事中や通勤中の事故などにより、怪我や病気を患って働けなくなった場合に支給される給付金です。お金が入ってこない状態になると不安になってしっかり休めないでしょう。そこで休業補償制度を活用することで安心して病気や怪我の治療に専念できます。基本的に休業補償は休業の手続きをした際に会社の人事担当者などから案内があるので、指示に従って手続きを進めてください。また、休業補償を利用している期間は療養に専念することが大切です。万が一意図的に療養期間を延ばしていると判断されると、休業補償が減額されることがあります。休業補償を受け取っている期間はしっかり休んでできるだけ早く職場復帰を目指してください。

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