労災申請 会社が拒否しても大丈夫!自分でできる申請方法と対処法

労災事故に遭遇して怪我や後遺障害を負ってしまった場合、労災保険から補償を受けることが可能です。しかし、残念ながら、中には労災申請に会社が拒否反応を示すケースも存在します。もし、労災申請に会社が拒否して困っているなら、どうすれば良いのでしょうか。
今回は、そんなお悩みを持つ方のために、具体的な対処法を解説します。
労災保険の加入は事業主の義務であり、職種・業種関係なく労働者なら誰でも補償が受けられます。
アルバイトやパートなど雇用形態も問われません。
ただし補償を受けるためには書類を揃えて事前に申請する必要があります。
初めて労災申請をする人にとってはハードルが高く感じるかもしれません。
そこで今回は労災申請について詳しく説明していきます。
さらに会社が労災申請に協力しない場合、労災認定に不服がある場合、会社に損害賠償したい場合などについても解説していきます。
目次
労災申請の方法がよくわからない場合
労災の補償を受けるためには、規定に沿って申請する必要があります。
原則として労災事故にあった個人が申請しますが、事業主(会社)が代わりに労災申請してくれる場合がほとんどです。
労災の申請についてはまず事業主に確認をしてください。
労災申請の方法は保険給付ごとに異なるため、それぞれについて解説していきます。
療養補償給付請求
療養補償給付請求とは、労災事故で生じた怪我などの治療関係の請求です。シンプルに治療費だと思ってください。
労災病院・労災指定病院を受診した場合には事業主の証明入りの請求書を作成し、受診した病院に提出してください。
労災病院・労災指定病院以外で受診した場合には、医師と事業主の証明入りの請求書と治療費の領収書を労働基準監督署に提出してください。
なお請求書は補償の種類ごとに、厚生労働省のホームページからダウンロードできます。
書式をダウンロードしたい方は、以下のサイトにアクセスしてください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousaihoken.html
休業補償給付請求
労災で休業して受け取れなかった賃金は、休業4日目から休業補償給付請求として申請できます。
休業期間を記載し、医師と事業主の証明入りの請求書を労働基準監督署に提出してください。
障害補償給付請求
症状固定され、労災事故により一定の後遺障害が残る場合には障害補償給付請求ができます。
後遺障害の診断書と事業所の証明入りの請求書を労働基準監督署長に提出してください。
労災申請の協力が得られない場合
上述したように、労災申請の請求書には事業主の証明が必要です。
万が一会社側が非協力的で書類に記載してくれないケースも考えられます。
労災の申請は労働者の権利です。
したがって事業主の証明がなくても労働基準監督署は受理してくれます。
しかしながら、今後も同じ事業主のもとで働きたいと考える場合には穏便な方法を取ることを推奨します。
まず事業主の労災担当者とよく相談しましょう。
形として残すために文書での申し入れも効果的です。
労働基準監督署に相談するという方法もあります。
「労災隠し」の窓口も設けているので、親身になって話を聞いてくれることでしょう。
また弁護士への相談もおすすめします。労災専門の弁護士が間に入ることで、問題がスムーズに解決することが期待できます。
労災認定されない場合
労災申請後、労働基準監督署の調査が入り、保険金の受給・不受給が決定されます。
労働基準監督署の認定に不服がある場合には審査請求が可能です。
労働基準監督署の決定を知った日の翌日から3ヵ月以内に、管轄の労働局の労働者災害補償保険審査官に審査請求します。
審査請求が棄却された場合には再審査請求が可能です。
決定書謄本の送付日の翌日から2ヶ月以内に、労働保険審査会に再審査請求します。
さらに再審査請求の決定に不服がある場合には、裁判所に対して行政訴訟が行えます。
期限は再審査請求の裁決を知った日の翌日から6ヶ月以内、かつ裁決日から1年以内です。
後遺障害の認定が不十分な場合
障害補償給付請求において、労災申請後に後遺障害の障害等級が認定され、その等級に応じて保険金が給付されます。
特に障害等級1級~7級は年金として支払われるため、1級~7級と8級~14級では受領する保険金に大きな差がでます。
したがって後遺障害の認定が不十分な場合には、審査請求が可能です。
労災認定に不服がある時と同様、労働基準監督署の決定を知った日の翌日から3ヵ月以内に、管轄の労働局の労働者災害補償保険審査官に審査請求します。
審査請求が棄却された場合には再審査請求が、さらに再審査請求の決定に不服がある場合には、裁判所に対して行政訴訟が可能です。
会社に損害賠償請求したい場合
労災が認定され補償を受けてもなお自己に損失がある場合や、労災事故により精神的損害が生じた場合には事業主である会社に損害賠償請求が可能です。
まずは会社に対して賠償金を求める旨を通知しましょう。
会社との交渉がうまくいかない場合には、裁判所に損害賠償請求の訴訟を提起することになります。
時効は労災事故が発生してから5年以内です。
早いタイミングで弁護士に相談を!
労災申請は一見複雑そうですが、順を丁寧に追えば誰でも申請が可能です。
事業主が代わりに申請するケースがほとんどなので、まずは会社の労災担当者に相談しましょう。
また労災申請に事業主が非協力的な場合や、労災認定や後遺障害の認定に不服がある場合には、早いタイミングで弁護士に相談することがおすすめです。
弁護士に依頼することで審査請求などに必要な証拠集めを全てやってくれます。
加えて会社に損害賠償する場合には弁護士が代理人として交渉してくれます。
弊所でも、労災の電話無料相談を受け付けていますので、是非活用してください。
電話相談は、こちらからです。
適切な賠償額を会社側から勝ち取り、労災後も気持ちよく働けることでしょう。
