【2025年6月施行】熱中症対策は会社の義務に！あなたの職場が変わる新ルール【弁護士解説】

埼玉県越谷市をはじめ、春日部市、草加市など埼玉県東部エリアにお住まい・お勤めの皆様へ。

今年の夏も暑くなる予報が出ていますね。
職場の**熱中症リスク**、実は年々深刻化しているって知っていましたか？
「うちは大丈夫」なんて思っているかもしれませんが、もしかしたら危険な状態かもしれません。

なぜなら、2025年6月1日から、職場の**熱中症対策に関する重要な法改正**が施行されるんです！
これは、単なる「努力してくださいね」というお願いではありません。
**会社が熱中症対策を『義務』として実施しなければならなくなる、まさにあなたの命と健康を守るための新ルールなんです。**

**しかし、**「法律のことって難しくてよくわからない…」「結局、私には何の関係があるの？」と感じるかもしれませんね。
ご安心ください！

この記事では、皆さんが普段抱えているであろう**熱中症の法改正**に関する素朴な疑問について、私たち弁護士がQ&A形式でわかりやすく解説していきます。
**その結果、**この記事を読めば、**熱中症の法改正**のポイントはもちろん、あなたの**会社が何をすべきか**、そして、あなたが**労働者として**自分の身を守るためにどう行動すれば良いのかが、すっきりと理解できるはずです。

さあ、一緒に新しい職場の**熱中症対策ルール**を見ていきましょう。

**さらに、**熱中症に関する法改正で会社が負う責任について、より深く知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
→【2025年6月改正】熱中症は「会社の責任」！労災認定されやすくなる？弁護士が解説

会社に義務化される「具体的な対策」とは？あなたの会社はこれをやっていますか？

今回の**熱中症法改正**で最も重要なのは、**熱中症対策が「努力義務」から「法的義務」へと変わる**点です。
つまり、会社は「できる限り対策します」ではなく、「必ず対策しなければならない」という責任を負うことになります。
**では、**具体的に会社にはどんな対策が義務付けられるのでしょうか？
主なポイントは以下の通りです。

作業環境の管理（WBGT値の測定と対応）

「WBGT値（暑さ指数）」という指標を継続的に測定し、その値に応じた対策を講じることが**義務**付けられます。
WBGT値が高くなると、会社は作業の中止や短縮、休憩時間の延長などを実施しなければなりません。

WBGT値の詳細については、環境省の熱中症予防情報サイトも参考にしてください。
環境省 熱中症予防情報サイト

休憩場所の確保と提供

休憩時間中に、WBGT値が基準値以下の場所や、冷房が効いた場所など、涼しい場所を確保することが**義務**付けられます。

水分・塩分補給の徹底

作業員が自由に水分や塩分を補給できるよう、飲料や塩飴などを準備・提供することが**義務**付けられます。

作業時間の管理と作業の中止基準

作業者の身体状況やWBGT値に応じて、作業時間を見直したり、危険な場合は作業を中断したりする基準を明確にし、実施することが求められます。

労働者への教育と情報提供

**熱中症**の症状、予防方法、応急処置などについて、**労働者**に対して定期的に教育を行うことが**義務**付けられます。

厚生労働省は、事業者が活用できる**熱中症予防対策**に関するリーフレットや資料を公開しています。
厚生労働省：職場における熱中症予防対策

健康状態の把握と管理

**労働者**の健康状態を常に把握し、体調不良者には適切な措置（休ませる、病院に行かせるなど）を講じることが**義務**付けられます。

**もし、**これらの対策を会社が怠った場合、罰則の対象となる可能性があります。
これは、**労働者の安全を守るという、会社の責任がより重くなったこと**を意味します。
あなたの会社でこれらの対策がきちんと行われているか、ぜひチェックしてみてください。

職場の「おかしいな」に気づいたら？会社が対策不十分な場合の対処法

今回の**熱中症法改正**で**会社の義務**が明確になったとはいえ、「うちの会社、ちゃんと対策してくれない…」と不安に感じることもあるかもしれません。
**そのような時、**あなたはどう行動すれば良いのでしょうか？
自分の命と健康を守るために、いくつか対処法を知っておきましょう。

まずは会社に意見してみる

会社の安全衛生担当部署や、直属の上司に直接改善を求めるのが第一歩です。
可能であれば、職場の安全衛生委員会（従業員50人以上の事業所に設置**義務**）に意見を出すことも有効です。
ここは労使で安全衛生について話し合う場なので、あなたの意見が具体的な対策に繋がる可能性があります。
意見を伝える際は、具体的な状況（例：「WBGT計がない」「休憩場所が暑すぎる」など）を明確に伝えると良いでしょう。

外部機関への相談を検討する

会社に直接意見しても改善が見られない場合や、話しにくい状況であれば、外部の専門機関に相談することも考えてみてください。

• 労働基準監督署： 労働基準法や労働安全衛生法などの違反を取り締まる行政機関です。
  匿名での相談も可能で、状況に応じて会社への指導や立ち入り検査を行ってくれます。
  最寄りの労働基準監督署は、厚生労働省のウェブサイトで確認できます。
  全国労働基準監督署の所在地案内
• 弁護士： 法的な問題が絡む場合や、会社との交渉が難しいと感じる場合は、私たち弁護士にご相談ください。
  あなたの状況を聞き、法的な観点から具体的なアドバイスやサポートを提供できます。

**したがって、**大切なのは、「おかしいな」と感じたら、我慢せずに声を上げることです。
あなたの行動が、自分だけでなく他の同僚の安全を守ることにも繋がります。

**さらに、**熱中症に関する法改正について、よくある疑問とそれに対する弁護士の回答はこちらの記事も参考にしてください。
→【働く人のためのQ&A】熱中症の法改正、あなたのギモンを弁護士が解消！

万が一、熱中症になってしまったら？労災申請と補償について

いくら会社が対策を講じても、万が一、職場で熱中症になってしまう可能性はゼロではありません。
**そのような時、**それが**「労災」**として認められるのか、そしてどんな**補償**が受けられるのかは、働く人にとって非常に重要な問題です。
今回の**熱中症法改正**で**会社の熱中症対策が義務化**されたことで、会社が**義務**を怠った場合に**労災認定**されやすくなる可能性があると考えられます。
これは、**会社の安全配慮義務がより明確になるためです。**

**熱中症が労災として認定される条件**については、すでに弊所の記事で詳しく解説しています。
→ 熱中症は労災になる？弁護士が認定基準と手続き、事例を徹底解説！

労災申請の基本的な流れは以下の通りです。

• 医療機関での受診： まずは医療機関で適切な治療を受け、医師に業務中に熱中症を発症した旨を伝えてください。
• 会社への報告： 会社に熱中症になったことを速やかに報告し、**労災申請**を行いたい旨を伝えます。
  会社には**労災申請**に必要な書類の作成などに協力する**義務**があります。
• 労働基準監督署への申請： 会社と協力して、またはご自身で労働基準監督署に必要書類を提出します。

**また、****労災保険**の給付については、厚生労働省のウェブサイトでも情報が提供されています。
厚生労働省：労災保険給付の概要

労災認定された場合の補償には、主に以下のようなものがあります。

• 療養（補償）給付： 治療費や薬代などが支給されます。
• 休業（補償）給付： 療養のため仕事を休んだ期間の賃金が**補償**されます。
• 障害（補償）給付： 熱中症が原因で後遺症が残った場合に支給されます。
• 遺族（補償）給付： 万が一、熱中症が原因で死亡してしまった場合に、遺族に支給されます。

**さらに、**熱中症による健康被害が重篤な場合、例えば意識障害や重度の臓器障害に至ったようなケースでは、今後の生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
この点については、すでに弊所の記事で詳しく解説しています。
→ 熱中症で死亡する原因とは？

**そして、**会社が**義務**を怠ったことで熱中症になった場合は、**労災保険**からの**補償**に加えて、会社に対して損害賠償を請求できる可能性もあります。
不安な場合は、迷わず専門家である弁護士に相談してください。

新ルールを理解して、安全で健康な職場環境を勝ち取ろう！

今回の2025年6月施行の**熱中症に関する法改正**は、働く私たちにとって非常に大きな意味を持ちます。
これまで「努力してくださいね」というあいまいな基準だった**熱中症対策**が、**会社に課される明確な「義務」**へと変わるからです。

この記事では、

• なぜ今、**熱中症の法改正**が必要なのか
• 会社に具体的にどんな対策が**義務**化されるのか
• もし会社が対策を怠っていた場合にどう対処すべきか
• 万が一熱中症になった場合の**労災**や**補償**

といった重要なポイントを解説しました。

自分の身を守るためには、この新しいルールを知っておくことが何よりも大切です。
会社が適切な対策を講じているかチェックし、「おかしいな」と感じたら、声を上げることをためらわないでください。

あなたの健康と安全は、働く上での基本的な権利です。
もし職場の**熱中症対策**に関して不安なことや疑問がある場合は、いつでも弁護士にご相談ください。
私たちは、あなたが安心して働ける職場環境を手に入れるためのサポートを惜しみません。

新しいルールを理解し、安全で健康な職場環境を私たち自身で勝ち取っていきましょう！

まとめ：2025年6月からの熱中症新ルールで、あなたの職場はより安全に！

2025年6月1日より施行される**熱中症に関する労働安全衛生規則の改正**は、職場の**熱中症対策**を**会社の法的義務**として明確化するものです。
これにより、これまでは努力**義務**だったWBGT値の測定、涼しい休憩場所の確保、水分・塩分補給の徹底、適切な作業時間の管理、そして**労働者**への教育訓練などが、罰則の伴う必須の対策となります。

もしあなたの職場でこれらの対策が不十分だと感じたら、まずは会社に意見を伝え、**その上で**改善が見られない場合は労働基準監督署や弁護士といった外部機関への相談をためらわないでください。

万が一、業務中に熱中症になってしまった場合でも、今回の**熱中症法改正**によって**会社の責任**がより明確になるため、**労災認定**や**補償**を受けられる可能性が高まります。

あなたの健康と安全を守るためにも、この新しいルールを正しく理解し、会社が適切な対策を講じているかを確認することが非常に重要です。
疑問や不安があれば、いつでも弁護士にご相談ください。
私たちは、皆さんが安心して働ける職場環境を実現するための力になります。